Saddle leather

- 多脂革・サドルレザーについて -


これまで国内で流通しているヌメ・サドルレザーとして出回っているものは殆ど試し、意図する革を求め工場に出向き小ロットで製造して頂いたりとサドルレザーと言う表現に理想的な革を求め探した結果、日本では多脂革と呼ばれている革を採用しています。
何十種と試した結果、本当の意味でサドルレザーと言うにふさわしい革はこの多脂革だと思い採用しました。
クラフト用に綺麗目に整えられたヌメ革とは違い、これまで使ってきた革の中でも有数のシワ、傷などの入り具合で製作側としてはコストや出来栄えの点から言うと扱い難い革ではありますが味があり堅牢なバイカー向けとなるとこれ以上の革は他には有りません。


革は製品にした際の新品の状態ではなく、使い込んだ時の経年変化がどれだけ味わい深い変化で楽しませてくれるか?
同じサドルレザー使用! と謳っていて同じ感じに仕上げっていても焼け方、艶の出方は違いが有ります。
当方の厳選したサドルレザーは丈夫な事は最低条件で、まず私自身どれだけ変化を楽しませてくれるか?
で選んだ革で、きっと皆さんにも気に入って頂けると思います。

ナチュラル(生成り)で使い込んでこそ最高な経年変化(焼けなど・・)をする革を基準にしてこの革を採用しておりますので是非染めずになめしたそのままのナチュラルな状態で使って頂きたいのが私の本音です。

初めに断っておきますが多脂革とは呼んで字の如く 脂=オイル を含む革なのですが、そのせいもありヌメオイルレザーを多脂革と呼んで販売している所もありますが実際は別物と思って下さい。  字から判断すると間違いでは無い様にも思えますが。。
ピット漬けによるヌメ革も十分手間が掛かるので製造するタンナーが数社と限られてくるわけですが、この多脂革となると更に製造に時間が掛かる為日本ではほんとに限られたタンナーしか製作していない革となります。


当方で使用している多脂革はヘッドレスと言われる頭からショルダーにかけての部分がカットされた状態で入荷します



 
当方このヘッドレスの状態からさらに腹部分や端を除く約6割程度の使用となります


↑夏季に3日間天日に当てたサンプル↑

☆簡単に多脂革の特徴をまとめると

・一般的なヌメ革よりしっかりと長くなめされている
一般的なヌメ革は長くて3週間ほど掛けてなめす訳ですが多脂革はその倍の期間ほどなめす事となり、ヌメ革と比べなめし度(タンニンの含有量の度合い)の高い革となり、通常のヌメ革より長くなめす事でより多くのタンニンを革にいれ、それに伴いより繊維がぎゅっと絡み合った堅牢な革となります。
・ オイルがたっぷりと入っている
5ミリ程はある厚い革と言う事もあり、そのままだとカチカチに堅い革なので大量の動物性脂を手作業で叩き込む様にしてガンガン入れ込み、ほど良い滑らかさの中にしっかりとしたコシのある革に仕上げます。
オイルが少なめのヌメ革の方がコシがある(堅い)場合もありますが使い込んで馴染んでもなめしの違いから使い込んでも伸び難いが特徴です。
    
革の焼けにはタンニンの含有量とオイルに関係性がある為にかなり早く、ヌメ革にオイルを塗り込んだ革も良い感じの色にはなりますが多脂革は元々のタンニン成分の違いから焼けの濃さ、艶の出かたが全然違います。
一般的なヌメ・サドルレザー風の革ですと定期的にオイルを塗り込まないとなかなか濃いあめ色にまではならなかったりするのですが、多脂革はオイルを足す必要なく濃いあめ色(茶色)に変化するのでそれ程気を使うこと無く使えるのもオススメの点だと言えます。 
実際にこれまで数多くのヌメ革を使ってきましたがこれほど短期に、そして濃く焼けていく革はそうそう有りませんでした。
※ちなみにこの多脂革は昔から工業用のちょっとしたパーツに使われるそうで、機械類の革ベルト、パッキン等々・・
  確実に強度が必要な部分には通常のなめし期間のヌメ革では耐久性が無く使えないと言う事です。



※お使いのパソコンのモニターの設定などにより実際の色と違いがある場合があります。

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